2021年12月25日に打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、今年に入り各部の展開や調整、試運転を経て夏から科学運用を開始しました。7月11日に初のフルカラー画像が公開されて以降、新たな画像も次々に公開されています。
ここでは2022年に公開されたウェッブ望遠鏡の画像から、10点を厳選して紹介します。アストロピクスのページへのアクセス数、Twitter(@Astropics_bb)のインプレッションやエンゲージメントなどをもとにしつつ、編集部の独断と偏見で選んだ10点です。
銀河団SMACS 0723

7月11日、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の初のフルカラー画像として初めて公開された画像です。銀河団SMACS 0723と、その重力レンズ効果によってゆがんだ多数の遠方の銀河が映し出されています。他の画像やスペクトルなどとともに公開される予定になっていましたが、公開前日にアメリカのバイデン大統領によって先行して公開されました。
画像の詳細はこちら→ウェッブ望遠鏡がとらえた銀河団と重力レンズ ハッブル画像との比較も
のちにチャンドラX線望遠鏡の画像と合成したものも公開されました→ウェッブがとらえた銀河団SMACS J0723とチャンドラがとらえた大量の高温ガス
車輪銀河

この画像に映る銀河は、その形から「車輪銀河」と呼ばれています。車輪銀河は、ちょうこくしつ座の方向、約5億光年の距離にあります。画面左には2つの小さな伴銀河も映っています。かつて大きな渦巻銀河に、この画像には映っていない小さな銀河が高速で衝突した結果、車輪のような形になったと考えられています。
画像の詳細はこちら→ウェッブ望遠鏡がとらえた「車輪銀河」
のちにチャンドラX線望遠鏡の画像と合成したものも公開されました→車輪銀河 ウェッブとチャンドラのコラボ画像
宇宙の崖

カリーナ星雲の北西の隅にある星形成領域NGC 3324の一部。7月12日に公開された初のフルカラー画像の中の1枚です。NGC 3324は、りゅうこつ座の方向、約7600光年の距離にあります。
画像の詳細はこちら→ウェッブ望遠鏡がとらえた星形成領域の「宇宙の崖」
のちにチャンドラX線望遠鏡の画像と合成したものも公開されました→星形成領域の「宇宙の崖」 ウェッブとチャンドラのコラボ画像
ウェッブ望遠鏡の別バージョンの画像はこちら→ウェッブ望遠鏡が「宇宙の崖」で見た若い星々
南のリング星雲

惑星状星雲の「南のリング星雲(NGC 3132)」。太陽程度の質量の恒星の晩年の姿です。7月12日に公開された初のフルカラー画像のうちの1枚。南のリング星雲は、ほ座の方向、約2500光年の距離にあります。
画像の詳細はこちら→ウェッブ望遠鏡がとらえた「南のリング星雲」
ウェッブ望遠鏡の別バージョンの画像はこちら→ウェッブ望遠鏡がとらえた南のリング星雲とその形成シナリオ
創造の柱

わし星雲(M16)にある「創造の柱(Pillars of Creation)」と呼ばれる領域。創造の柱は、ハッブル宇宙望遠鏡が1995年に撮影してよく知られるようになりました。わし星雲は、へび座の方向、約6500光年の距離にあります。その星雲の中心部にある創造の柱は、大質量星からの紫外線や恒星風に耐えて残った、ガスと塵からなる柱状の構造です。
画像の詳細はこちら→ウェッブ望遠鏡がとらえた「創造の柱」
ウェッブ望遠鏡の別バージョンの画像はこちら→ウェッブ望遠鏡が中間赤外線でとらえた「創造の柱」、ウェッブ望遠鏡がとらえた「創造の柱」(近赤外+中間赤外)
渦巻銀河IC 5332

ウェッブ望遠鏡のウェブページで毎月公開されている「Picture of the Month(今月の画像)」。この銀河の画像は9月のPicture of the Monthとして紹介されたものです。IC 5332は地球から2900万光年以上の距離にあり、直径はおよそ6万6000光年です。地球に対して銀河円盤がほぼ正面を向いており、渦状腕をはっきりと見ることができます。
画像の詳細はこちら→ウェッブ望遠鏡とハッブル望遠鏡がとらえた渦巻銀河IC 5332
大マゼラン銀河のタランチュラ星雲

大マゼラン銀河にあるタランチュラ星雲をとらえた画像。タランチュラ星雲は地球から16万1000光年の距離にあり、局所銀河群の中で最大かつ最も明るい星形成領域です。そこには最も高温で大質量の星も存在しています。
画像の詳細はこちら→ウェッブ望遠鏡がとらえた大マゼラン銀河のタランチュラ星雲
木星

近赤外線カメラ(NIRCam)で撮影された木星の擬似カラー画像。画像には、北極と南極の両方で高い高度までオーロラが広がっているのが映っています。
画像の詳細はこちら→ジェイムズ・ウェッブ望遠鏡が赤外線でとらえた木星
土星の衛星タイタン

NIRCam(近赤外線カメラ)で撮影された、土星の衛星タイタン。それぞれ異なるフィルタで撮影した画像です。タイタン上空に浮かぶ雲などが映っています。
画像の詳細はこちら→土星の衛星タイタンをウェッブ望遠鏡とケック望遠鏡が撮影
海王星

NIRCam(近赤外線カメラ)で撮影された海王星。海王星は太陽から最も遠くにある最果ての惑星で、太陽〜地球間の距離の30倍(30天文単位)も離れたところを公転しています。画像には海王星本体はもちろん、リングや衛星もはっきりと映っています。リングがこれほど鮮明に撮影されたのは1989年の探査機ボイジャー2号以来のことです(ボイジャー2号は海王星に接近しての観測でした)。
画像の詳細はこちら→リングがくっきり! ウェッブ望遠鏡がとらえた海王星の最新画像
ウェッブ望遠鏡は今後も、素晴らしい科学的成果とともに美しく迫力ある画像を続々と届けてくれるはずです。アストロピクスでは2023年以降も、それらの画像について紹介していきます。