小マゼラン銀河にある「NGC 346」と呼ばれる星団と周辺の星雲「N66」を、ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像です。小マゼラン銀河は天の川銀河の伴銀河(衛星銀河)の1つで、地球から20万光年ほどの距離にあります。
NGC 346の星々は3つの小集団に分かれており、合計で数十個の高温の大質量星が存在しています。これは小マゼラン銀河で発見されている大質量星の半分以上に及びます。
星団にある高温の星々からの放射や星風は周囲の星雲を吹き払い、またガスや塵の密度が高い領域を侵食しています。画像で暗く見えている高密度の領域には、星団の方向に盛り上がっているような構造や、吹き流しのような小さな塵の塊などがみられます。
NGC 346のほかにも、小さな星団がこの領域全体に見られます。小さな星団の中には塵や星雲に埋もれているように見えるものもあります。そこは最近星形成が起きたか、あるいは今まさに星形成が進行中の場所です。これらの星団からの光は、N66を生み出した分子雲の名残である局所的な塵によって赤く見えています。
画像は2004年7月に、ハッブル望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)で撮影されました。
Image Credit: NASA, ESA, and A. Nota (STScI/ESA)
(参照)Hubblesite