ウェッブ望遠鏡とハッブル望遠鏡がとらえた渦巻銀河IC 5332 | アストロピクス

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ウェッブ望遠鏡とハッブル望遠鏡がとらえた渦巻銀河IC 5332

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のウェブページでは毎月、ウェッブ望遠鏡の「Picture of the Month(今月の1枚)」として画像を公開しています。この画像は9月のPicture of the Monthとして紹介されたもので、ウェッブ望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河IC 5332の画像です。

IC 5332は地球から2900万光年以上の距離にあり、直径はおよそ6万6000光年です。地球に対して銀河円盤がほぼ正面を向いており、渦状腕をはっきりと見ることができます。

ハッブル望遠鏡の画像はWFC3(広視野カメラ3)を使い紫外線と可視光で撮影したものです。一方、ウェッブ望遠鏡の画像はMIRI(中間赤外線装置)を使い中間赤外線で撮影されました。

ハッブル望遠鏡の画像には、渦状腕を分けるかのように暗い領域が映っていますが、ウェッブ望遠鏡の画像では、複雑にもつれた構造が渦状腕に沿うように映し出されています。ハッブル望遠鏡の画像で暗く映る領域は、奥にある星の光を塵が遮っているため暗く見えています。しかし中間赤外線はそのような塵の多い領域を透過できるため、ウェッブ望遠鏡の画像では暗く見えていません。

また2つの画像では異なる星が明るく見えていますが、これはそれぞれの星で明るい波長が異なるためです。ハッブル望遠鏡の画像とウェッブ望遠鏡の画像は、補完し合いながらIC 5332の構造や組成についての情報をもたらしてくれます。

Image Credit: ESA/Webb, NASA & CSA, J. Lee and the PHANGS-JWST and PHANGS-HST Teams

(参照)ESA/Webb