NASAの月探査機がとらえたispace社「レジリエンス」着陸予定場所付近 | アストロピクス

NASAの月探査機がとらえたispace社「レジリエンス」着陸予定場所付近

Image Credit: NASA/ASU/Goddard Space Flight Center
Image Credit: NASA/ASU/Goddard Space Flight Center

ispace社のHAKUTO-Rミッション2の月着陸船「RESILIENCE(レジリエンス)」が2025年6月6日4時24分(日本時間)に月面へ着陸する予定です。画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の月探査機ルナー・リコネッサンス・オービター(LRO)がLROC(LROカメラ)でとらえた、レジリエンスの着陸地点周辺です。

着陸地点は「寒さの海(氷の海)」の中央付近(北緯60.5度、西経4.6度)です。寒さの海は、「リンクルリッジ」と呼ばれる大規模な断層が点在する火山地帯です。LROCのウェブページによれば、寒さの海は35億年以上前に大規模な噴火によって低地が玄武岩で覆われて形成され、その後、玄武岩堆積物の重みで地殻が歪んだことでリンクルリッジが形成されたとのことです。

レジリエンスは2025年1月15日に打ち上げられ、5月7日に月周回軌道に投入されました。

Image Credit: NASA's Scientific Visualization Studio
Image Credit: NASA's Scientific Visualization Studio

こちらの画像は、月面の「海」や主なクレーターを示したものです。月面の北(上)の方に「寒さの海(氷の海)」があります。(参考記事)月の「海」

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2025年3月にはアメリカの民間月着陸船が着陸に成功

なお、ispace社のHAKUTO-Rミッション1では、2023年4月26日に月のアトラス・クレーターへの着陸に挑みましたが、残念ながら着陸には成功しませんでした。(参考)「HAKUTO-R」月着陸船の衝突地点をNASAの月探査機が特定

民間の月着陸船としては2025年3月、アメリカのファイアフライ・エアロスペース社の「ブルーゴースト」と、アメリカのインテュイティブ・マシーンズ(IM)社のIM-2ミッションの「アテナ(Athena)」が着陸に成功しました。

ただしアテナは横倒しの状態のため着陸直後にミッションを終了しました。一方のブルーゴーストは14日間のミッションを完遂し、地球が太陽を隠す日食の撮影なども行いました。

(参考)
月面から見た「日食」 地球と太陽が作る「ダイヤモンドリング」を民間月着陸機が撮影
米民間月着陸船「アテナ」、月面へ着陸。ただし横倒しのため直後にミッションを終了

(参照)LROCispace