淡く輝くレンズ状銀河NGC 6684 ハッブル望遠鏡が撮影 | アストロピクス

淡く輝くレンズ状銀河NGC 6684 ハッブル望遠鏡が撮影

この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたレンズ状銀河NGC 6684です。全体が淡くぼんやりと輝いています。NGC 6684は、くじゃく座の方向、約4400万光年の距離にあります。南天にあるくじゃく座は、「Southern Birds(南天の鳥たち)」と呼ばれる4つの星座のうちの1つです(あとの3つは、つる座、ほうおう座、きょしちょう座)。

NGC 6684のようなレンズ状銀河には大きな円盤がありますが、アンドロメダ銀河のようなはっきりとした渦状腕はありません。またNGC 6684には、他の銀河にみられるような暗い塵の領域がほとんど見られないのが特徴的です。

NGC 6684の撮影は、10メガパーセク(3260万光年)以内の距離にある近傍銀河で、ハッブル望遠鏡がまだ観測していない全ての銀河を観測することを目的とした「Every Known Nearby Galaxy」というプログラムの一環で行われました。従来、10メガパーセク以内にある75%の銀河は、ハッブル望遠鏡によって観測されていました。この観測プログラムは、ハッブル望遠鏡の観測スケジュールの空き時間を利用し、残りの25%の銀河を観測しようというものです。

この観測プログラムで撮影された銀河のうち、ESO 174-1(約1100万光年)、NGC 1156(約2500万光年)、UGCA 307(約2600万光年)、LEDA 48062(約3000万光年)、UGC 7983(約3000万光年)についてはアストロピクスで紹介したことがあります。

画像はACS(掃天観測用高性能カメラ)で撮影されたもので、ハッブル望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」として2023年8月7日に公開されました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. Tully

(参照)ESA/Hubble