孤立した不規則矮小銀河NGC 1156をハッブル望遠鏡がとらえた

この画像に映っているのは、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた不規則矮小銀河NGC 1156です。NGC 1156は、おひつじ座の方向、約2500万光年の距離にあります。

銀河のあちらこちらに見られる赤い部分は、新たに形成された若い星からの紫外線により電離した水素ガスが輝いている領域です。一方で銀河の中心部には古い世代の星が密集しています。

NGC 1156は「孤立銀河」と呼ばれる、単独で存在するタイプの銀河です。他の銀河が近くにあると、重力の影響(相互作用)で変形したり星形成が起きたりすることがありますが、NGC 1156の近くにはそのような影響を与える銀河は存在していません。

NGC 1156に関しては、以前にもハッブル宇宙望遠鏡で撮影されたことがあります。今回の新しい画像は、「Every Known Nearby Galaxy」というプログラムの一環で撮影されました。

地球から10メガパーセク(3260万光年)以内にある銀河のうち、4分の3ほどの数の銀河はハッブル宇宙望遠鏡によって詳細に観測されていました。「Every Known Nearby Galaxy」では、ほかの大規模なプロジェクトの合間に、NGC 1156も含めた残りの4分の1(153個)の銀河の観測を行おうというものです。

画像はハッブル宇宙望遠鏡のACS(掃天観測用高性能カメラ)とWFPC2(広視野惑星カメラ2)で撮影された画像を色合成したものです。2022年8月22日にハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」としてリリースされました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, R. B. Tully, R. Jansen, R. Windhorst

(参照)ESA/Hubble