宇宙に漂う「クラゲ銀河」JO175 ハッブル望遠鏡が撮影 | アストロピクス

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宇宙に漂う「クラゲ銀河」JO175 ハッブル望遠鏡が撮影

この画像はハッブル宇宙望遠鏡が撮影したもので、銀河「JO175」が映っています。この銀河は、ぼうえんきょう座の方向、地球から6億5000万光年以上離れたところにあります。画像内には、JO175以外の銀河もたくさん映り込んでいます。

画像をよく見ると、JO175からガスと塵が伸びています。ガスと塵がクラゲの触手のように漂っているかのようにみえることから、このようなタイプの銀河は「クラゲ銀河」とも呼ばれます。

銀河から漂うガスと塵の「触手」は、「動圧(ラム圧)によるガスのはぎ取り」と呼ばれる現象によって生じています。これは銀河団の内部に存在するガスの中を銀河が動いていくことで、銀河団のガスの圧力によって、銀河内部のガスがはぎ取られて押し出される現象です。

画像はハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、2023年5月1日に「今週の1枚(Picture of the Week)」として公開されました。2023年2月27日にJO201、3月20日にはJW100、4月10日にはJO204という「クラゲ銀河」がハッブル望遠鏡の「今週の1枚」として紹介されましたが、今回のJO175も含めて6つの「クラゲ銀河」を調査するプログラムの一環で撮影された画像です。

この調査は、極端な条件下での星形成について理解することを目的として行われました。とくにクラゲ銀河の漂うガスの中にある、星形成中のガスと塵の塊が研究されました。研究によると、銀河円盤での星形成と、クラゲ銀河の漂うガスに見られる極端な環境での星形成とが似ていることが示唆されたとのことです。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Gullieuszik and the GASP team

(参照)ESA/Hubble