宇宙望遠鏡がとらえた「かに星雲」 チャンドラ望遠鏡25周年記念

1999年7月に打ち上げられた、NASA(アメリカ航空宇宙局)のチャンドラX線望遠鏡は、2024年7月で25周年を迎えました。打ち上げ25周年を記念して、チャンドラ望遠鏡のX線データを含む25点の新たな画像が公開されました。

この画像は、25点のうちの1枚で「かに星雲」が映っています。かに星雲は、1054年に観測された超新星の残骸です。その超新星は、中国や日本の記録にも残っています。

画像はチャンドラ望遠鏡(青紫と白)とIXPE(紫)のX線、ハッブル宇宙望遠鏡の可視光(赤、緑、青)の画像を合成したものです。

星雲の中心にはパルサー(電磁放射を伴う回転する中性子星)があり、画像では紫色の雲の中にある白っぽい点として見えています。パルサーのまわりには白いリングがあり、リングと紫色の雲が組み合わさって、まるでキノコの傘ように見えています。キノコの柄のように見えているのは、パルサーから噴出する粒子のビームです。

アストロピクスでは、チャンドラ望遠鏡の打ち上げ25周年記念の画像のうち、主なものを個別に紹介していく予定です。

Image Credit: Credit: X-ray: (Chandra) NASA/CXC/SAO, (IXPE) NASA/MSFC; Optical: NASA/ESA/STScI; Image Processing: NASA/CXC/SAO/K. Arcand, L. Frattare, and J. Schmidt

(参照)Chandra X-ray ObservatoryNASA