木星探査機JUICEの科学カメラがとらえた恒星間天体「アトラス彗星(3I/ATLAS)」 | アストロピクス

木星探査機JUICEの科学カメラがとらえた恒星間天体「アトラス彗星(3I/ATLAS)」

この画像は、太陽系の外からやってきた恒星間天体「アトラス彗星(3I/ATLAS)」を、木星へ向かって航行中の木星氷衛星探査機JUICEがとらえたものです。アストロピクスではJUICEが航法カメラでとらえた画像を紹介したことがありますが、今回の画像は観測に使われる科学カメラ「JANUS」によって撮影されたものです。

画像は2025年11月6日に約6600万kmの距離から撮影されました。撮影されたのは、アトラス彗星が近日点を通過してからわずか7日後のことで、彗星は非常に活動的な状態にありました。画像の中央には、核を取り巻く「コマ」と呼ばれる大気が映っています。またコマから広がる尾も見えています。

下にある白枠内の画像は、メインの画像と同じデータですが、コマの構造を強調するように処理されたものです。左上の矢印は青が彗星が向かっている方向、黄色が太陽の方向を示しています。尾が太陽とは反対方向に伸びていることがわかります。

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11月撮影の画像がどうしていま公開されたのか

画像の撮影から公開まで時間がかかったのには理由があります。撮影当時からしばらくの間、JUICEは太陽の熱から機体を守るためにメインの高利得アンテナを熱シールドとして利用していました。そのため大容量のデータを送信できない状態にあったのです。

JUICEのチームの科学者は現在、JANUSが撮影した120枚以上の画像に加え、ほかの4つの観測機器(MAJIS、UVS、SWI、PEP)が収集した分光データや粒子データの分析を急いでいるとのことです。

アトラス彗星は2025年7月1日、ATLAS(小惑星地球衝突最終警報システム)での観測によって最初に報告されました。2017年のオウムアムア(1I/ʻOumuamua)、2019年のボリソフ彗星(2I/Borisov)に次ぐ3例目の恒星間天体です。太陽を楕円軌道で周回する彗星とは異なり、アトラス彗星(3I/ATLAS)は双曲線軌道で運動しています。太陽に最接近した後は2度と戻ってくることはありません。

(参照)
木星氷衛星探査機JUICEが航法カメラでとらえた恒星間天体アトラス彗星(3I/ATLAS)
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Image Credit: ESA/Juice/JANUS

(参照)ESA