ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河M81(NGC 3031)。「ボーデの銀河」とも呼ばれます。おおぐま座の方向、約1160万光年の距離にあります。
上の画像は解像度を落としてありますが、オリジナル画像は22,620×15,200もある非常に解像度の高いもので、個々の星、散開星団や球状星団、ガス星雲まで鮮明に映し出されています。
M81の渦状腕は、ここ数百万年の間に形成された若く高温の青い星で構成されています。緑がかった部分は星形成領域です。高温の若い星からの紫外線が周囲の水素ガス雲を輝かせています。
M81は約3億年前に、近くにある渦巻銀河NGC 3077やスターバースト銀河M82と接近したことで、渦状腕に沿って星形成が活発になった可能性があります。
中央のバルジには古くて赤みがかった星が集まっています。天の川銀河のバルジと比べて非常に大きいのが特徴的です。M81の銀河中心には、太陽の7000万倍の質量の超巨大ブラックホールが存在しています。これは天の川銀河の中心にあるブラックホールと比べて15倍も大きな質量です。
なおアストロピクスでは以前、スピッツァー宇宙望遠鏡が赤外線でとらえたM81の画像を紹介したことがあります。興味のある方はぜひご覧ください。→(1)赤外線でとらえた渦巻銀河M81、(2)スピッツァー宇宙望遠鏡がとらえた渦巻銀河M81
Image Credit: NASA, ESA, and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)
(参照)Hubblesite