わずか12光年! 木星によく似た惑星をジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が撮影

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によって、地球から12光年の距離にある太陽系外惑星「インディアン座イプシロン星Ab」が直接撮影されました。この惑星は、これまで直接検出された中で最も低温の系外惑星の一つです。

こちらは、ウェッブ望遠鏡がとらえたインディアン座イプシロン星Abの画像です。この惑星は、太陽よりわずかに低温のインディアン座イプシロン星Aを周回しています。研究チームは、ウェッブ望遠鏡のMIRI(中間赤外線装置)で、主星の光を隠すためのコロナグラフという装置を使って惑星の撮影に成功しました。画像内の★印は、コロナグラフによって隠れている主星の位置を示しています。

これまで撮影された系外惑星は、形成されたときのエネルギーの多くをまだ放射しているような若く高温のものが多くなっています。惑星は形成された後、時間とともに冷えていき暗くなるため、撮影が難しくなっていきます。

インディアン座イプシロン星Abは、木星よりやや温かく、また質量が木星より大きいものの、これまで撮影されたどの惑星よりも木星に似ているとのことです。温度は2℃と推定されており、木星より100℃ほどしか温度が高くありません。

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予想とは異なる惑星だった

主星のインディアン座イプシロン星Aでは、視線速度法(ドップラー法)を使って惑星が存在する可能性が示されていたことから、ウェッブ望遠鏡による観測が行われました。視線速度法は、惑星が公転することに伴う主星のふらつきを検出する方法です。

ただ撮影された惑星は、視線速度法で予想されていたものとは異なっていたと、ドイツ、マックスプランク天文学研究所のElisabeth Matthews氏はいいます。「質量は約2倍で、恒星からやや離れており、予想とは異なる軌道を周回しています。この食い違いの原因は未解決のままです」

惑星の大気も、モデル予測とは異なるようです。短波長では予想より暗い可能性があり、研究チームは惑星の大気中にメタンや一酸化炭素、二酸化炭素が大量に存在し、短い波長の光を吸収している可能性があると考えています。また、非常に雲の多い大気を示唆している可能性もあるようです。

研究チームは、将来的にこの惑星をウェッブ望遠鏡で再び観測し、測光観測と分光観測を行いたいと考えているとのことです。

Image Credit: NASA, ESA, CSA, STScI, Elisabeth Matthews (MPIA)

(参照)Webb Space TelescopeESA/Webb