これら6つの画像はすべて、火星の衛星フォボスを異なる時期にとらえたものです。NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機2001マーズ・オデッセイがとらえた赤外線画像を、同じくマーズ・オデッセイがとらえた可視光画像に重ね合わせています。赤外線は温度によって色分けされています。
下段左の2019年12月9日の画像は“満月”の状態で、フォボス表面の大部分が太陽光にさらされており、最高温度は27℃になっています。下段中央の2020年2月25日の画像は、フォボスが火星の影の中に入った“月食”の最中に観測されたものです。太陽光が当たっておらず、最低温度は−123℃になっています。2020年3月27日の画像は、日食が終わり表面が暖まりつつあるところを観測したものです。
なお日食時には真っ暗で可視光では観測できないため、そのときのフォボスの姿はコンピューターで作成されたものです。
以前撮影された上段の3つの画像を合わせ、これらは月の満ち欠けや満月の状態を示しています。マーズ・オデッセイのチームは、今後数か月間フォボスを観測し、自転とともにどのように暖まり冷えるのかを包括的に把握することを計画しています。
Image credit: NASA/JPL-Caltech/ASU/NAU