2003年に打ち上げられたNASA(アメリカ航空宇宙局)のスピッツァー宇宙望遠鏡が、2020年1月30日でミッションを終了しました。
スピッツァーが太陽を公転する軌道は、地球の公転軌道よりわずかに大きいため、太陽を1周するのに地球より時間がかかります。そのため時間の経過とともに、少しずつ地球から離れていきます。それに伴って、スピッツァーが地球にアンテナを向けたときに太陽からの熱を多く受けることになります。また太陽電池パネルが太陽から離れる方向を向くことになり、受けることができる太陽光が減ってバッテリーに大きな負担がかかるようになります。近年はそのような困難な状況の中で運用が続けられてきました。スピッツァー宇宙望遠鏡の打ち上げから現在までの経緯については、過去記事「スピッツァー宇宙望遠鏡」をご覧ください。
このページでは、スピッツァー宇宙望遠鏡の観測終了を記念して、これまでアストロピクスで紹介してきた画像の中から、とくに印象に残るものを5点紹介します。
へびつかい座ゼータ星。Image Credit: NASA/JPL-Caltech。詳しくは→「秒速24kmで移動する星の前面に現れた衝撃波面」
カリーナ星雲(NGC 3372)。Image Credit: NASA/JPL-Caltech。詳しくは→「赤外線でみたカリーナ星雲」
オリオン星雲。スピッツァー宇宙望遠鏡とハッブル宇宙望遠鏡の画像を合成したものです。Image Credit: NASA/JPL-Caltech/T. Megeath (University of Toledo) & M. Robberto (STScI)詳しくは→「スピッツァーとハッブルの画像を合成して作られた、抽象画のようなオリオン星雲」
ソンブレロ銀河(M104)。Image Credit: NASA/JPL-Caltech。詳しくは→「スピッツァー宇宙望遠鏡が赤外線でみたソンブレロ銀河(M104)」
子持ち銀河M51。(c)と(d)がスピッツァー宇宙望遠鏡の画像です。(a)は可視光画像で、(b)は可視光画像とスピッツァー宇宙望遠鏡の赤外線画像を合成したもの。Image Credit: NASA/JPL-Caltech詳しくは→「可視光と赤外線でみた子持ち銀河M51」
アストロピクスは昨年(2019年)6月に開設したばかりで、紹介していないスピッツァーの画像はまだたくさん残っていますので、これからも紹介していきます。