可視光と赤外線でみた子持ち銀河M51

この画像は、可視光や赤外線で撮影したM51(NGC 5194/5195)を並べたものです。いちばん左は可視光、2番目は可視光と赤外線の合成、3番目と4番目はそれぞれ異なる波長の赤外線でとらえた画像です。

M51は、大きな銀河が小さな銀河を従えているようにみえることから「子持ち銀河」とも呼ばれます。りょうけん座の方向、約2300万光年の距離にあります。二つの銀河が互いの重力によって影響を与えあっています。

(a)の可視光の画像は、アメリカ、キットピーク国立天文台の2.1m望遠鏡で撮影されたものです。渦状腕に沿うように塵の筋模様がみられます。

(b)の画像は、キットピーク国立天文台で得られた青と緑の可視光波長の画像に、スピッツァー宇宙望遠鏡がとらえた赤外線のデータを赤に割り当てて合成したものです。渦状腕の塵の筋模様が赤っぽくなっているのが分かります。

(c)と(d)はどちらもスピッツァー宇宙望遠鏡の画像です。

(c)の画像は、3.6μm、4.5μm、8μmという三つの赤外線波長で得られた画像を、それぞれ青、緑、赤に割り当てて合成したものです。星からの光は青っぽいもやのようにみえています。また炭素を主成分とする塵が赤っぽくみえています。そのような塵が、上の小さな銀河にはほとんどないことが分かります。

(d)の画像では、24μmの赤外線波長で得られた画像を赤に割り当てて合成したものです。この波長の赤外線は、特に高温の塵を目立たせるのに適しています。(d)の画像で、赤みを帯びた白い部分は、新しい星が形成され、その過程で周囲が温められている領域を示しています。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech

https://www.jpl.nasa.gov/spaceimages/details.php?id=PIA23128