赤外線で見たクリスマスツリー星団 スピッツァー望遠鏡が撮影 | アストロピクス

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赤外線で見たクリスマスツリー星団 スピッツァー望遠鏡が撮影

この画像はスピッツァー宇宙望遠鏡が「NGC 2264」と呼ばれる領域を赤外線で撮影したものです。NGC 2264は「クリスマスツリー星団」と「コーン星雲」からなります。赤外線で撮影したことで、厚い塵の奥に隠れていた生まれたばかりの星々が見えてきました。

生まれたばかりの星は、画像中央付近で赤やピンク色に見えています。これらの星々は、車輪のスポークや雪の結晶と似たような線状の構造に沿って一定間隔で形成されたように見えます。10万歳程度のこれらの幼い星々は、生まれた場所からまだあまり動いていません。時間の経過とともに星々が動いていき、雪の結晶のような構造はやがて見られなくなります。

可視光で撮影された画像で明るくみえる星々の多くは、この赤外線の画像では明るく輝いてはいませんが、この塵の多い星雲から形成されるすべての星は星団に属していると考えられます。また可視光の画像では暗く見える、ガスと塵の高密度な柱状構造である「コーン星雲」が、この画像では下のほうで明るく見えています。

画像は波長3.6μmと4.5μmの赤外線を青、5.8μmをシアン、8μmを緑、24μmを赤に割り当てて合成したものです。塵の混じった有機分子が緑に見えています。画像全体に散在している青く見える星は、天の川銀河内でNGC 2264と同じ方向にある若くない星々です。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/P.S. Teixeira (Harvard-Smithsonian CfA)

(参照)Spitzer Space Telescope