映っているのはほぼ全てが銀河! ダークエネルギーカメラがとらえた銀河団Abell 3667

この画像に映っているのは、くじゃく座の方向、地球から約7億光年の距離にある銀河団Abell 3667です。銀河団より遠方にある銀河もたくさん映っており、画像の中で小さな点のように見えている天体は、ほとんどがそのような遠方にある銀河です。

画像は、南米チリにあるセロ・トロロ汎米天文台(CTIO)のビクター・M・ブランコ4m望遠鏡に搭載されたダークエネルギーカメラ(DECam)で撮影されました。DECamは、5億7000万画素の巨大なデジタルカメラです。

銀河団は宇宙最大の構造の一つで、数百から数千個もの銀河が集まってできています。Abell 3667をとらえたこの画像には「銀河間光」と呼ばれる淡い光も映っています。銀河間光とは、もともと属していた銀河から、銀河同士の相互作用などによりはぎ取られ、銀河と銀河の間を漂う星々が発する光です。

この画像には遠方の銀河が満ちているだけでなく、天の川銀河にある非常に淡い「シラス(銀河巻雲)」も映っています。シラスは天の川銀河の銀河円盤から離れたところにある星間雲で、天の川銀河の星々の光によって照らされて非常に淡く輝きます。画像ではやや青みを帯びてうっすらと見えています。

画像は、NOIRLab(アメリカ光学・赤外天文学研究所)から2025年8月5日に公開されました。

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Image Credit: CTIO/NOIRLab/NSF/AURA; Acknowledgment: PI: Anthony Englert (Brown University); Image Processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF NOIRLab), M. Zamani & D. de Martin (NSF NOIRLab)

(参照)NOIRLab