火星ローバー「パーサヴィアランス」搭載の科学機器 | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

火星ローバー「パーサヴィアランス」搭載の科学機器

NASAの新しい火星ローバー(探査車)「パーサヴィアランス(Perseverance)」が、2020年7月20日に打ち上げられる予定です。今回の記事では、そのパーサヴィアランスに搭載されている科学機器について簡単に紹介します。

パーサヴィアランスには以下のような科学機器が搭載されています。

マストカムZ

ローバーのマストに取り付けられたカメラ。ズーム機能を備え、動画やパノラマ、3D画像を撮影できるカメラシステムです。画像サイズは最大1600×1200ピクセル。

◆MEDA(Mars Environmental Dynamics Analyzer)

温度や湿度、風速や風向、気圧などの測定のほか、火星大気中の塵粒子の量や大きさを測定します。

◆MOXIE(Mars Oxygen ISRU Experiment)

火星大気中の二酸化炭素から酸素を作り出す実験を行います。将来の有人探査に向け、火星大気から推進剤や呼吸のための酸素を作り出す方法を実証します。

◆PIXL(Planetary Instrument for X-ray Lithochemistry)

ロボットアームの先端に取り付けられています。火星の表面物質の微細な元素組成を測定するための高分解能のイメージャーを搭載した蛍光X線分光器。岩石や土の質感を超クローズアップで撮影するカメラも含まれます。

◆RIMFAX(Radar Imager for Mars' Subsurface Experiment)

地下の地質構造をセンチメートル単位の分解能で調査するためのレーダー。

◆SHERLOC(Scanning Habitable Environments with Raman & Luminescence for Organics and Chemicals)

ロボットアームの先端に取り付けられています。分光計、レーザー、カメラを使い、有機分子や鉱物を調べることで、過去の生命の痕跡を探索します。

◆スーパーカム

ローバーのマストに取り付けられています。カメラ、レーザー、分光計を使って岩石や土壌を調べ、火星の過去の生命に関連している可能性のある有機化合物を探索します。岩石などに含まれる有機化合物を遠くから検出できます。


パーサヴィアランスは2021年2月18日に火星のジェゼロ・クレーターへ着陸する予定です。小型の火星ヘリコプター「インジェニュイティ」も搭載されています。

※Perseveranceは媒体によって「パーセベランス」「パーシビアランス」「パーセヴェランス」などと表記されています。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech

https://mars.nasa.gov/mars2020/spacecraft/instruments/