火星の斜面にみられる明暗の筋 | アストロピクス

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火星の斜面にみられる明暗の筋

火星の熱帯地方の斜面には、画像のような筋がよく見られます。以前は水の流れによるものだと考えられていましたが、現在ではほとんどの科学者が塵の雪崩によるものだと考えています。

斜面の筋は時間とともに消えていくことが知られています。しかし火星のアラビア大陸にあるこの場所では時間が経過しても残っています。ここでは古い筋は周囲よりも明るく見えています。以前、撮影されたデータと比較しても、明暗の筋の変化はわずかしか見られません。このことは、筋の形成と消失が、少なくとも数十年の時間スケールで進んでいることを示唆しています。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2019年3月18日に撮影されたもので、2021年9月21日のHiPODとして紹介されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE