火星の気候変動の証人 北極の層状堆積物

この画像に映っているのは、火星の北極にある層状堆積物です。火星の北極では、直径1000kmほどの範囲で塵まじりの水の氷が厚さ3kmも積み重なって層をなしています。このような層は、火星の過去の気候に関する情報を記録しています。

北極の多くの場所で侵食によって急斜面や谷が形成され、この画像のような層が露出しています。画像では茶色味がかった層の下に青みがかった層が見えています。茶色味がかった層は塵まじりの水の氷の層です。一方、青みがかった層には砂サイズの岩石の破片が含まれており、氷が堆積する前に広大な砂丘地帯が形成されていたと見られています。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2010年7月18日に撮影されたもので、2022年7月8日のHiPODとして紹介されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE