ISSから見た昼夜境界付近のかなとこ雲、長く伸びる影と薄明光線 | アストロピクス

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ISSから見た昼夜境界付近のかなとこ雲、長く伸びる影と薄明光線

この写真は、ISS(国際宇宙ステーション)がアラビア半島上空で昼夜境界付近を通過中に撮影されたものです。写真には「かなとこ雲」と呼ばれる巨大な雲が映っています。また低い角度から当たる太陽光によって、地球表面に落ちる雲の影が非常に長く伸びています。

上空へ発達していく積乱雲が、地球大気の対流圏と成層圏の境界面(対流圏界面)に達すると、それより上に発達することができずに横へ広がり、上部が平らな「かなとこ雲」になります。

昼夜境界付近は、地上では日の出や日没の頃になります。写真は地上での夕暮れ時に撮られたもので、雲の一部が夕焼けで赤みを帯びているのが映っています。また左側の雲から画面上方に伸びる影の中にみられる明るいすじは「薄明光線」です。地上から見ると薄明光線は放射状に広がっているように見えますが、この写真を見ると光が平行であることがわかります。

写真は2020年7月19日に撮影されたものです。NASA Earth Observatoryで、2022年7月17日の「Image of the Day(今日の1枚)」として紹介されました。

Image courtesy of the Earth Science and Remote Sensing Unit, NASA Johnson Space Center

(参照)NASA Earth ObservatoryGateway to Astronaut Photography of Earth