火星の衛星ダイモス | アストロピクス

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火星の衛星ダイモス

火星の衛星ダイモス(デイモス)を、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが高解像度カメラHiRISEでとらえた画像です。

火星には小さな衛星が2つあります。内側を公転する衛星がフォボス、外側がダイモスです。ダイモスは15×12×11kmと非常に小さく、およそ30時間で火星を公転しています。表面に見られるクレーターは直径2.5kmより小さなものばかりです。フォボスに見られるような溝や尾根はありません。

天体に隕石が衝突すると、表面の物質がクレーターの周囲に落下して堆積します。しかしダイモスでは、そのような堆積物が見られません。おそらくダイモスの重力が非常に小さいため、噴出物が落下せず宇宙空間へ逃げてしまったようなのです。またダイモス表面のレゴリスは深さ100メートルにも及ぶとみられています。

画像は近赤外線、赤、青緑の波長での画像を色合成した擬似カラー画像です。左右2枚の画像は、2009年2月21日に5時間35分間隔で撮影されました。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech/University of Arizona

(参照)Planetary Photojournal