重力レンズで鏡像のように分かれて見える遠方銀河 ハッブル望遠鏡の「今週の1枚」 | アストロピクス

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重力レンズで鏡像のように分かれて見える遠方銀河 ハッブル望遠鏡の「今週の1枚」

この画像はハッブル宇宙望遠鏡が撮影したもので、「SGAS J143845+145407」として知られる重力レンズ天体が映っています。画像中央に見える銀河の上下に、赤みを帯びた遠方銀河の像が鏡に映ったかのように分かれて見えています。

重力レンズとは、銀河団などの巨大な質量を持つ天体の重力によって空間がゆがみ、周囲を通過する光の経路が曲がってしまう現象です。重力レンズ効果によって、より遠方にある銀河の像がゆがんで円弧やリング状に見えたり、複数に分かれて見えたりすることがあります。

また遠方の天体が拡大されることもあり、他の方法では遠くて暗いために見えないような天体を、重力レンズを利用することで観測することができます。

この画像は、重力レンズを利用して初期宇宙の銀河内部を調査するためのハッブル宇宙望遠鏡の観測データの一部です。2022年7月18日に、ハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」としてリリースされました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Rigby

(参照)ESA/Hubble