小マゼラン銀河の若い星団「NGC 346」 ハッブル宇宙望遠鏡の最新画像 | アストロピクス

小マゼラン銀河の若い星団「NGC 346」 ハッブル宇宙望遠鏡の最新画像

この画像はハッブル宇宙望遠鏡がとらえたもので、小マゼラン銀河にある若い星団「NGC 346」が映っています。ハッブル望遠鏡がとらえたNGC 346の画像はこれまでにも公開されたことがありますが、今回の画像は新たなデータも含む赤外線、可視光、紫外線のデータを組み合わせて作られました。

小マゼラン銀河は天の川銀河の衛星銀河(伴銀河)で、きょしちょう座の方向、約20万光年の距離にあります。小マゼラン銀河にはヘリウムより重い元素が少なく、初期宇宙の環境に似ていると考えられています。

NGC 346には2500個を超える生まれたばかりの星が存在しています。星団の中で最も重い星々は、画像の中で青く明るく輝いています。ピンク色の星雲や、ヘビのような形の暗い雲は、星団の星々が生まれた場所の名残です。

NGC 346のまわりの星雲は「N66」と呼ばれています。N66は、高温の若い星からの紫外線によって輝いています。このような領域は「HII領域」と呼ばれます。N66は、小マゼラン銀河の中で最も明るいHII領域の一つです。

高温で巨大な星々からの強烈な放射と恒星風によって、周囲のガスが吹き払われたり、高密度の領域が削り取られたりしてきたことで、星雲は今のような姿になりました。

1990年4月に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡は、2025年4月で打ち上げ35周年となります。画像はそれを記念してESA(ヨーロッパ宇宙機関)が公開したものです。

(参考)
小マゼラン銀河にある大質量星の星団NGC 346と星雲N66 ハッブル望遠鏡が撮影
ウェッブ望遠鏡がとらえた小マゼラン銀河の星団NGC 346

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, A. Nota, P. Massey, E. Sabbi, C. Murray, M. Zamani (ESA/Hubble)

(参照)ESA/HubbleNASA