ハッブル宇宙望遠鏡がとらえたスターバースト銀河M82。「葉巻銀河」とも呼ばれます。おおぐま座の方向、1200万光年の距離にあります。近くにある銀河M81との重力相互作用の影響で、M82では活発な星形成(スターバースト)が進んでいます。
M82の中心付近では、私たちの天の川銀河全体よりも10倍の速さで若い星が誕生しています。これらの高温の新しい星々からの恒星風は、超銀河風(スーパーウインド)を形成します。スーパーウインドは大量のガスを圧縮して数百万もの星を作り出し、また銀河円盤の上下方向に電離水素ガス(画像では赤く見えています)を噴出させます。
ただ星形成が激しくなりすぎると、より多くの星を形成するのに必要な物質が破壊されてしまいます。スターバーストはおそらく、数千万年後には収まるとみられています。
ハッブル宇宙望遠鏡の打ち上げ30周年(2020年4月24日)に向けて、NASA(アメリカ航空宇宙局)は「30 Years, 30 Images」と題して、これまでハッブルが撮影してきた画像から各年1枚ずつ選んで公開しています。
冒頭の画像はその16枚目のもので、打ち上げ16周年を記念して2006年4月にリリースされた中の1枚です。
Image Credit: NASA, ESA, and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA);
Acknowledgment: J. Gallagher (University of Wisconsin), M. Mountain (STScI), and P. Puxley (National Science Foundation)
https://www.flickr.com/photos/nasahubble/49757380101/in/album-72157713228021437/
https://hubblesite.org/contents/media/images/2006/14/1876-Image.html