火星探査車パーサヴィアランス着陸地点の詳細な立体画像

2020年7月30日に打ち上げられるNASA(アメリカ航空宇宙局)の火星ローバー(探査車)「パーサヴィアランス(Perseverance)」は、2021年2月に火星のジェゼロ・クレーターに着陸することになっています。

直径45kmのジェゼロ・クレーターは、かつて水をたたえた湖だった場所で、そこに流れ込む川によってデルタ地帯が形成されました。パーサヴィアランスは、そのデルタ地帯の近くに着陸する予定です。

火星への着陸時、パーサヴィアランスは「地形照合航法(Terrain Relative Navigation)」という新しい技術を使います。これは大気中を降下しているときに火星表面を撮影し、それを機体に保存してある地図と照らし合わせ、必要に応じて進路を変更する技術です。この航法が機能するには、着陸地点とその周辺のできるだけ良い地図が必要です。

冒頭の画像は、パーサヴィアランスに搭載される1ピクセルあたり6mの解像度の地図画像をもとに作られたもので、着陸地点付近のデルタ地帯の立体画像です。2020年7月27日に公開されました。画像の上の方に、かつての川が作った谷も見えています。地図画像はNASAの火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターで得られた画像をもとにUSGS(アメリカ地質調査所)で制作されました。

この画像は、冒頭のものより広範囲が映っています。ジェゼロ・クレーターの西端部分を見ています。かつての川が作った谷と扇形のデルタ地帯が映っています。

ジェゼロ・クレーターのデルタ地帯の堆積物付近の画像です。画像の左側や中央付近を見ると層状になっているのが分かります。これはクレーターに水が流れ込んだときに形成された湖底の堆積物とみられます。

※Perseveranceは媒体によって「パーセベランス」「パーシビアランス」「パーセヴェランス」などと表記されています。

Image Credit: NASA/MSSS/USGS

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