火星表面で重なりあう溝や窪みをマーズ・リコネッサンス・オービターがとらえた | アストロピクス

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火星表面で重なりあう溝や窪みをマーズ・リコネッサンス・オービターがとらえた

NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが火星の表面をとらえたこの画像には、溝状の地形や窪んだ地形などが複雑に入り組んでいるのが映っています。オリンポス山の東、タルシス高地にあるオリンピカ・フォッサにほど近い一角をとらえた画像です。

それぞれの地形がどのように重なっているかをみることで、溝や窪みなどの相対的な年代が分かります。上に重なっているほど、比較的新しくできた地形ということになります。古い溝状の地形は縁が滑らかで浅く見えます。新しい地形は比較的深くて縁がシャープになっており、あまり曲がっていません。

この地域は広く溶岩流に覆われています。窪んだ地形ができた原因としては、溶岩チューブ(溶岩が流れた後にできる地下の空洞)の天井部分が崩落したなどの可能性が考えられるようです。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページでは、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2016年3月9日に撮影されたもので、2022年1月29日のHiPODとして紹介されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE