この画像に映っているのは、惑星状星雲「Hb 5」です。Hb 5は、地球から約5500光年の距離にあります。
画像はチャンドラX線望遠鏡のX線(青と白)、ハッブル宇宙望遠鏡の可視光(赤、紫、青)、アルマ望遠鏡の電波(黄と白)を組み合わせたものです。Hb 5は、ハッブル望遠鏡の名前の由来でもある、アメリカの天文学者エドウィン・ハッブルによって発見された天体です。
惑星状星雲は、太陽程度の質量の星の年老いた姿です。Hb 5の中央付近にみられる黄色味を帯びた白い領域は、中心の恒星から最近放出された大量の物質の存在を示しています。その左右には、紫色で表示された泡のような形のガスが広がり、全体として蝶ネクタイのような形になっています。左上側で最も目立っている青い領域は、チャンドラ望遠鏡がとらえた高温ガスからのX線を示しています。
1999年7月に打ち上げられた、NASA(アメリカ航空宇宙局)のチャンドラX線望遠鏡は、2024年7月で25周年を迎えました。打ち上げ25周年を記念して、チャンドラ望遠鏡のX線データを含む25点の新たな画像が公開されました。冒頭の画像は、その25点のうちの1枚です。
Image Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical: NASA/ESA/STScI; Radio: NSF/ESO/NRAO/ALMA/RIT (P. Moraga Baez, J. Kastner); Image Processing: NASA/CXC/SAO/K. Arcand, J. Major