ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた「南のリング星雲」 | アストロピクス

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ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた「南のリング星雲」

ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた惑星状星雲NGC 3132。「南のリング星雲」とも呼ばれるNGC 3132は、ほ座の方向、約2000光年の距離にあります。2022年7月12日(日本時間)に公開される、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の初のフルカラー画像のうちの1枚のターゲットになっている天体です。

太陽程度の星は年老いると膨らんで赤色巨星となり、やがて赤色巨星の外層のガスが宇宙空間へ放出され広がっていきます。中心の星からの紫外線によって、周囲に広がったガスが電離して輝くのが惑星状星雲です。

NGC 3132は直径約0.5光年で、ガスは秒速15kmほどで膨張しています。この画像では、星雲の中心付近に明るい星があり、その右上にかすかな星がもう1つ見えています。NGC 3132を形成したのは、かすかな星のほうです。太陽より小さいけれども非常に高温なこの星からの紫外線が、周囲のガス雲を輝かせています。明るい方の星も、いずれは自分自身の惑星状星雲を形成すると見られています。

星雲内部にみられる青色は最も高温のガスを示しており、赤は外縁部の最も冷たいガスを示しています。ハッブルのこの画像には、塵のフィラメントも多数見えています。

Image Credit: The Hubble Heritage Team (STScI/AURA/NASA)

(参照)Hubblesite