はぎ取られたガスがクラゲの触手のように漂う銀河「JO204」 ハッブル望遠鏡が撮影 | アストロピクス

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はぎ取られたガスがクラゲの触手のように漂う銀河「JO204」 ハッブル望遠鏡が撮影

この画像の中央に映っているのは、「JO204」と呼ばれる銀河です。銀河からガスが、まるでクラゲの触手のように漂っているようにみえることから、このような銀河は「クラゲ銀河」とも呼ばれます。JO204は、ろくぶんぎ座の方向、約6億光年の距離にあります。

銀河から漂うガスは、「動圧(ラム圧)によるガスのはぎ取り」によって生じています。これは銀河間空間に存在するガスの圧力によって、銀河内のガスがはぎ取られる現象です。はぎ取られたガスは、ほとんどが銀河内の低温で高密度のガスです。動圧によって銀河から押し出され圧縮されたガスは、重力崩壊してクラゲの「触手」の中で新しい星を形成します。

画像はハッブル宇宙望遠鏡のWFC3(広視野カメラ3)で撮影されたもので、「今週の1枚(Picture of the Week)」として2023年4月10日に公開されました。2023年2月27日にJO2013月20日にはJW100という「クラゲ銀河」が「今週の1枚」として紹介されましたが、今回のJO204も含め、6つの「クラゲ銀河」の調査の一環で撮影された画像です。この調査は、極端な条件下での星形成についてより理解することを目的として行われました。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, M. Gullieuszik and the GASP team

(参照)ESA/Hubble