この画像には、2つの異なるタイプの星雲が映っています。
画像中央で赤く輝いているのは輝線星雲「IC 1284」。主に水素でできている星形成領域です。若い星からの放射によって水素が電離することで赤く輝いています。
一方、画像右下側には、青く輝いている反射星雲「NGC 6589」「NGC 6590」が映っています。これらは近くの星からの光を散乱することで輝いています。青く見えるのは、星雲内の塵が主に青い光を散乱するからです。
画像は、ESOパラナル天文台にあるVST(VLTサーベイ望遠鏡)に搭載された2億5600万画素のカメラ「OmegaCAM」で撮影されました。OmegaCAMを使って南天の天の川の散光星雲、若い星や進化した星などをマッピングする「VPHAS+(VST Photometric Hα Survey of the Southern Galactic Plane and Bulge)」というサーベイ観測の一環で撮影されたものです。アストロピクスでは干潟星雲(M8)やカリーナ星雲、ほ座超新星残骸など、これまでもVPHAS+の画像を紹介したことがあります。
画像は、ESOの「今週の1枚(Picture of the Week)」として2023年10月2日に公開されました。
Image Credit: ESO/VPHAS+ team
(参照)ESO