秒速400kmで星雲内を突き抜けるオリオンの弾丸

この画像に映っているのは、オリオン星雲の中を超音速で移動しているガスの“弾丸”をとらえたものです。ハワイ、マウナケア山頂にあるジェミニ北望遠鏡で撮影され、2007年に公開された画像です。

赤みを帯びた塔のようにも見える構造の先端に青く輝いているのは、高温の鉄のガスです。ガスの“弾丸”が秒速400kmものスピードで水素分子の雲を突き抜けたときにできた航跡が塔のように見えています。“弾丸”のスピードは音速の1000倍以上に相当します。

“弾丸”といっても小さいわけではなく、一つ一つが太陽をまわる冥王星の公転軌道の10倍ほどもあります。航跡は長さが5分の1光年ほどに伸びています。

先端で輝く鉄原子の雲は約5000度Cまで衝撃加熱されて明るく輝いています。弾丸の先端部では、周囲のガス雲と激しく衝突するため水素分子は破壊されてしまいます。しかし弾丸の後ろ側では水素分子は破壊されずに2000度Cまで加熱され、弾丸が星雲の中を通過する際に管状の航跡が残されるのです。

Image Credit: International Gemini Observatory

(参照)NOIRLab

アストロピクスではTwitterやFacebookでも更新情報をお届けしています