これらの画像に映っているのは、2015年から2024年にかけてハッブル宇宙望遠鏡がとらえた木星です。赤道に平行な縞模様や、南半球にある巨大な渦模様「大赤斑」など、一見するとどの画像も似たようなものに見えますが、よく見ると縞模様の色や雲の形、大赤斑周辺のようすが異なっていることがわかります。
ハッブル宇宙望遠鏡は2014年以来、「OPAL(Outer Planet Atmospheres Legacy)」という観測プログラムで木星、土星、天王星、海王星の4つの外惑星を定期的に観測してきました。上の9枚の木星画像は、そのOPALで撮影されたものです。ハッブル宇宙望遠鏡は、木星の雲や風、渦などのほか、大赤斑のサイズや形、動きなども監視しています。
木星を観測するにあたり、ハッブル宇宙望遠鏡には地上の望遠鏡にはない一つの利点があります。木星は10時間で自転していますが、地上の望遠鏡では木星の2回転分を連続して観測することはできません。2回転分の20時間の間に昼間になってしまうからです。ハッブル望遠鏡であれば木星の2回転分を連続して観測することができます。
Image Credit: NASA, ESA, A. Simon (GSFC), M. Wong (UC Berkeley), J. DePasquale (STScI)
(参考記事)ハッブル宇宙望遠鏡の外惑星観測プログラムが10周年
(参照)Hubblesite、ESA/Hubble