宇宙に浮かぶ「ネックレス」をハッブルがとらえた | アストロピクス

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宇宙に浮かぶ「ネックレス」をハッブルがとらえた

明るいガスの塊がリング状に連なる様子から「ネックレス星雲」と呼ばれている惑星状星雲「PN G054.2-03.4」を、ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた画像です。ネックレス星雲は、いて座の方向、1万5000光年の距離にあります。

ネックレス星雲は、2つの星が非常に近い距離で互いに周回しているために生じたものです。およそ1万年前、年老いた星の1つが膨張して小さな伴星を飲み込みました。小さな星は大きな星の内側で周回し続け、膨らんだ大きな星の回転速度を上げていきました。膨らんだ星は急速に回転し、星の外層の大部分が宇宙空間へと広がっていきました。そのようにしてできた星のかけらがリング状になったものがネックレス星雲です。高密度のガスの塊が、リング状に点在する「ダイヤモンド」を形成しています。

ネックレス星雲を形成した2つの星は、わずか数百kmしか離れていないため、画像では1つの明るい点として映っています。それほどまでに接近しながらも、2つの星は1日強で互いのまわりを激しく周回しています。

画像は2021年4月26日にリリースされた、ハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」です。

Image Credit: ESA/Hubble & NASA, K. Noll

(参照)ESA/Hubble