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ユークリッド宇宙望遠鏡がとらえた「隠された銀河」IC 342

2023年7月1日に打ち上げられた、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)のユークリッド宇宙望遠鏡の最初のカラー画像が11月7日に公開されました。画像はそのうちの1点で、渦巻銀河IC 342(Caldwell 5)が映っています。

IC 342は、きりん座の方向、地球から約1100万光年の距離にあります。地球から見るとこの銀河は、天の川銀河の円盤の銀河面付近にあり、塵やガス、多くの星々によって視界がさえぎられるため観測が難しい銀河です。そのためIC 342は「Hidden Galaxy(隠された銀河)」とも呼ばれています。ユークリッド望遠鏡が近赤外線で観測したこの画像では、塵に遮られて可視光では見えにくい低温で低質量の星々からの光がとらえられています。

ユークリッド望遠鏡は全天の3分の1の領域をサーベイ観測し、ダークマターとダークエネルギーの謎にせまろうという宇宙望遠鏡です。IC 342の見た目の大きさは満月と同じくらいあります。ユークリッド望遠鏡は、IC 342のような銀河の全体像をワンショットで撮影できるほど視野が広い一方で、星や星団を区別できるほど詳細をとらえています。

IC 342は、ハッブル宇宙望遠鏡によって中心部が撮影されたことがあります。ただこれまで、銀河全体の星形成の歴史を研究することはできませんでした。ユークリッド望遠鏡の画像からはすでに多くの球状星団が発見されています。その中には、これまで特定されていなかったものも含まれているとのことです。

(参考記事)ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた「隠された銀河」

こちらは銀河の外縁部(冒頭の画像に映る銀河の右下部分)のクローズアップです。細部まで詳細に映し出されていることがわかります。

11月7日に公開されたユークリッド望遠鏡の最初のカラー画像については、以下の記事もご覧ください。

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2024年の早い時期から本格観測をスタート予定

7月に打ち上げられたユークリッド望遠鏡では現在、太陽・地球系の第2ラグランジュ点(L2)で本格的な科学観測に向けた最終調整が行われています。2024年の早い時期から本格観測を開始する予定です。

L2は、地球からみて太陽の反対側、約150万km離れたところにあります。ユークリッド望遠鏡は、L2を周回する軌道から、全天の3分の1の領域について、100億光年先までの銀河の形状や位置、距離などを測定し、宇宙の3Dマップを作成します。

(参考記事)ユークリッド宇宙望遠鏡 銀河の精密な3Dマップを作り宇宙の「暗黒」の解明を目指す

Image Credit: ESA/Euclid/Euclid Consortium/NASA, image processing by J.-C. Cuillandre (CEA Paris-Saclay), G. Anselmi, CC BY-SA 3.0 IGO

(参照)ESA