「偵察衛星」がとらえた最近形成された火星の氷のクレーター | アストロピクス

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「偵察衛星」がとらえた最近形成された火星の氷のクレーター

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターがとらえたもので、最近形成された直径13メートルの小さなクレーターが映っています。

マーズ・リコネッサンス・オービターは、最近形成されたクレーターを数多く観測してきました。中緯度から高緯度にかけての地域では、埋もれている水の氷がクレーター内に露出することがあります。

火星の北半球、アルカディア平原にあるこのクレーターも、白く見える氷が露出しています。画像をよく見ると、クレーター内だけでなく、周囲にも氷が飛び散っているのがわかります。

このようなクレーターを時間をおいて観測することで、露出した氷がどのように昇華していくのかを把握することができます。それによって、地表付近での氷の安定性や、火星の現在の気候を理解するための情報を得ることができるとのことです。

なおマーズ・リコネッサンス・オービターの「リコネッサンス」とは「偵察」の意味です。マーズ・リコネッサンス・オービターはその名にたがわず、高解像度で火星の観測を続けています。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2012年1月30日に撮影されたもので、2024年3月18日のHiPODとして紹介されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE