火星の「ホタテ貝」地形は、地表直下に存在する水の氷の目印 | アストロピクス

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火星の「ホタテ貝」地形は、地表直下に存在する水の氷の目印

火星の約3分の1の地域では、表面のすぐ下に水の氷があるとみられています。そのような埋もれた氷が存在する時にだけ現れる地形があります。この画像に映っているホタテ貝のような形状をした地形も、そのような地形の一つです。

画像を掲載しているアリゾナ大学のウェブページによると、この画像に映る地域のすぐ下には氷の層があるとのことです。氷が溶けて失われると、表面の塵が穴に崩落します。より多くの氷が失われるにつれて穴が大きくなっていき、この画像に見られる「ホタテ貝」へと成長していくというのです。

有人火星探査では、氷のある場所を正確に把握することは不可欠です。いつか火星に降り立つ宇宙飛行士は、この「ホタテ貝」を目指すことになるのかもしれません。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2020年8月17日に撮影されたもので、2021年3月16日のHiPODとして紹介された画像です。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE