この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査車キュリオシティが撮影した火星表面のパノラマです。2022年8月14日(3563火星日)、画像中央にみられる「パライテプイパス(Paraitepuy Pass)」と名付けられたエリアへの走行中に、キュリオシティのマストカメラ(Mastcam)で撮影した146枚の画像を合成して作られました。右側の丘は「ボリバル(Bolívar)」、左側の丘は「ディープデイル(Deepdale)」と呼ばれています。
こちらの画像は2022年8月15日(3564火星日)にマストカメラで撮影されたものです。「オリノコ(Orinoco)」と呼ばれる丘が映っています。遠景にはアイオリス山(シャープ山)の上部が見えています。
こちらは2022年8月23日(3572火星日)、パライテプイパスを走行中にマストカメラで撮影された画像です。画像右上にボリバルが見えています。23枚の画像が合成されています。
硫酸塩の豊富な地域へ到達
キュリオシティは1か月以上かけてパライテプイパスを通過したのち、硫酸塩の豊富な地域に到達しました。鋭利な岩で車輪を損傷したり、砂で車輪をとられスタックしないように気をつけながら慎重に移動したのです。
石膏や硫酸マグネシウムのような硫酸塩は通常、水に関連して作られます。火星の硫酸塩鉱物は、かつて存在した水が干上がった際に残されたと見られています。そのような鉱物を調べることで、なぜ火星が寒冷で乾燥した惑星になったのかについて手がかりが得られると考えられています。
硫酸塩は、キュリオシティが着陸する以前に、NASAの火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターによって発見されていました。キュリオシティは現地に到着してまもなく、さまざまな種類の岩石と過去の水の痕跡を発見しました。その中には、ポップコーン状の小塊や硝酸マグネシウム(エプソムソルトはその一種)、硫酸カルシウム(石膏含む)、塩化ナトリウムなどの鉱物が含まれます。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS
(参照)JPL