ダークエネルギーカメラがとらえた暗黒星雲「おおかみ座3」と反射星雲「バーンズ149」 | アストロピクス

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ダークエネルギーカメラがとらえた暗黒星雲「おおかみ座3」と反射星雲「バーンズ149」

この画像には、暗黒星雲「おおかみ座3(Lupus 3)」と、そこから生まれた星が照らす反射星雲「バーンズ149(Bernes 149)」が映っています。これらの星雲は、おおかみ座の方向、約500光年の距離にあります。

画像中央で輝くバーンズ149は、「HR 5999」と「HR 6000」という2つの青い星が周囲のガスと塵の雲を照らしています。これらの星は、暗黒星雲おおかみ座3の内部で生まれ育った天体です。

HR 5999とHR 6000は年齢が約100万歳とまだ若い星ですが、おおかみ座3の中では最も古い星です。星の中心部での核融合はまだ始まっておらず、重力収縮によって加熱されて輝いています。これらの兄弟星は、周囲のガスや塵を吹き飛ばし、その残骸を照らして反射星雲を作り出しています。

(参考記事)近傍の5つの星形成領域 赤外線で塵の奥をのぞき込む

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5億7000万画素のカメラで撮影

画像は、南米チリ北部のセロ・トロロ汎米天文台(CTIO)にあるビクター・M・ブランコ4m望遠鏡に搭載されている「ダークエネルギーカメラ(DECam)」で撮影されました。DECamは、5億7000万画素の広視野カメラです。

宇宙には正体不明のエネルギーであるダークエネルギー(暗黒エネルギー)が存在すると考えられています。その解明に向け、DECamを使った国際共同プロジェクト「ダークエネルギーサーベイ」が2013年から2019年まで行われました。その後、DECamは天体観測などに利用されています。

Image Credit: CTIO/NOIRLab/DOE/NSF/AURA/ T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab); Image Processing: D. de Martin & M. Zamani (NSF’s NOIRLab)

(参照)NOIRLab