地下トンネルにつながる火星の縦穴 | アストロピクス

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地下トンネルにつながる火星の縦穴

NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが、火星のアルシア山の山腹にある穴を撮影した画像です。

火星の赤道付近にある広大な火山台地であるタルシス地域には、「タルシス三山」と呼ばれる三つの巨大火山が南北に並んでいます。アルシア山はタルシス三山のうち最も南にある火山です。→【参考画像】バイキング1号がとらえた火星の三つの巨大火山

地下で溶岩が流れた後に空洞が残されることがあります。そのような空洞は「溶岩チューブ」「溶岩トンネル」などと呼ばれます。溶岩チューブは地球ではよく見られるもので、月にも見つかっています。

画像に映る穴は、そのような溶岩チューブの天井が一部崩落してできた縦穴です。穴の直径は約50mあり、地下の溶岩チューブも同じくらいの直径とみられます。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページでは、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2020年8月16日に撮影されたもので、2020年10月8日のHiPODとして紹介された画像です。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE