火星のクレーター内に見られた大量の小クレーター | アストロピクス

【Googleニュースでアストロピクスをフォローして新着記事をチェック!】

火星のクレーター内に見られた大量の小クレーター

この画像は、火星の南半球の中緯度にあるクレーターの内部を、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターがとらえたものです。小さなクレーターが多数映っています。直径約30mから分解能の限界である約2mの大きさのクレーターまで見えています。

このように多くの小クレーターが密集しているのは二次クレーターであることが多く、この画像に映っているのも二次クレーターであると見られています。二次クレーターとは、天体衝突によってクレーターが形成された際に、飛び散った物質によって二次的にできたクレーターのことです。

物質を飛び散らせた元のクレーターが分かっている場合、地表の年代を制限するために二次クレーターを利用できます。二次クレーターが形成された場所は、その二次クレーターの元になった衝突現象よりも古いはずだからです。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2016年7月27日に撮影されたもので、2021年11月20日のHiPODとして紹介されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE