氷が形成? 火星のクレーターの斜面の下にある湾曲した尾根 | アストロピクス

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氷が形成? 火星のクレーターの斜面の下にある湾曲した尾根

NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが、火星のアルギュレ平原の外縁部にあるクレーター内をとらえた画像です。「ガリー」と呼ばれる溝状の地形が刻まれたクレーターの斜面の下にある湾曲した尾根の周辺が映っています。1枚目は尾根の周辺、2枚目は広範囲をとらえたものです。2枚目の画像の左下側に斜面のガリーが見えています。

湾曲した尾根は、おそらくガリーの形成よりも前に氷が斜面を下へ移動したことによって形成されたとみられます。氷の大部分は昇華してしまいましたが、尾根に残っているものもあるかもしれません。尾根にみられる層は、氷の堆積と流動が繰り返されたことを示している可能性があります。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページでは、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2019年12月23日に撮影されたもので、2020年10月30日のHiPODとして紹介された画像です。

なおアルギュレ平原の位置については過去記事「火星の高度マップ」に掲載した地名入り高度マップをご覧ください。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE