彗星内部は降りたての新雪よりフワフワ!?

2016年9月までチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を周回しながら探査を続けたESA(ヨーロッパ宇宙機関)の彗星探査機ロゼッタ。そのロゼッタには「フィラエ」と名付けられたランダー(着陸機)が搭載されていました。

2014年11月にロゼッタから切り離されたフィラエは、彗星表面で2度接地(タッチダウン)してバウンドしたのち、3度目の接地場所で静止しました。これまで1度目の接地場所と最後に静止した場所は分かっていましたが、2度目の接地場所は分かっていませんでした。

この度、ESAのLaurence O’Rourke氏らのチームは、ロゼッタとフィラエの機器のデータから、2度目の接地場所を特定しました。接地時のデータを再解析した結果、フィラエは2度目の接地場所で2分近くとどまり、少なくとも4回、別々の場所に接触したことが分かりました。

冒頭の画像は、フィラエの接地場所をまとめたものです。最初の接地(Touchdown 1)は11月12日15時35分(グリニッジ標準時)、その後16時20分に別の場所に衝突したあと17時24分ごろからの2分間で彗星表面に何度か接触します(Touchdown 2)。2度目の接地場所から30mほどのところでフィラエは静止しました(Touchdown 3)。なお右上の画像にはフィラエが映っています。

フィラエの接触の際のようすから、彗星内部の塵混じりの氷は、降ったばかりの新雪やカプチーノの泡などよりも柔らかいことが分かりました。また彗星の岩石の空隙率(岩石内の氷の粒同士の間にどれくらいの隙間があるか)は約75%と推定されました。これは以前、別の研究で測定された彗星全体の値と一致しています。

彗星の内部に関するこのような知見は、着陸機構の設計やサンプル採取の手法の開発のために、非常に価値のある情報となります。

Images: Touchdown 1: ESA/Rosetta/Philae/ROLIS/DLR; all other images: ESA/Rosetta/MPS for OSIRIS Team MPS/UPD/LAM/IAA/SSO/INTA/UPM/DASP/IDA; Analysis: O’Rourke et al (2020)

(参照)ESA

アストロピクスではTwitterやFacebookでも更新情報をお届けしています