火星のエリシウム山周辺〜火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーが撮影 | アストロピクス

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火星のエリシウム山周辺〜火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーが撮影

この画像には、火星のエリシウム火山付近が映っています。NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーが1998年7月2日に撮影した画像です。

中央に映っているのがエリシウム山で、北東(画面右上)にHecates Tholus、南東にAlbor Tholusという2つの火山も映っています。エリシウム山は、周囲の平原からは約12.5kmの高さがあります。Hecates Tholus付近で白く見えているのは雲です。

エリシウム山は1972年にNASAの火星探査機マリナー9号によって発見されました。火星最大の火山であるオリンポス山や、タルシス地域にある巨大火山とは異なっている点がいくつもあります。火山の側面に溶岩流が見られないのがその1つです。

エリシウム山の表面には多くのクレーターが見られます。隕石衝突によってできたクレーターもありますが、多くは衝突の衝撃による噴出物が見られません。またいくつかのクレーターは、頂上のカルデラから放射状に直線的に並んでいます。これらのクレーターは隕石衝突ではなく、溶岩が地下からなくなった際に陥没してできた可能性が高いと見られています。

Image Credit: NASA/JPL/Malin Space Science Systems

(参照)Planetary Photojournal