火星の「幽霊砂丘」 | アストロピクス

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火星の「幽霊砂丘」

この画像は、NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターが、火星にある「幽霊砂丘(ghost dunes)」をとらえたものです。

幽霊砂丘は、かつての砂丘の痕跡です。まず溶岩や泥水のような堆積物が、砂丘のまわりに流れ込んで固まります。砂丘がある程度の高さまで埋まった後で風によって砂が吹き飛ばされ、かつて砂丘があったところが穴となって残されました。いわば古代の砂丘の鋳型のようなものです。

幽霊砂丘は2016年に地球ではじめて発見され、2018年に火星でも発見されました。火星の幽霊砂丘を分析することで、火星の過去の気候変動を知る手がかりになるとみられています。

画像に映っているのは、火星の赤道付近にあるマリネリス峡谷の西、「ノクティス・ラビリントゥス(夜の迷宮)」と呼ばれる地域付近にある幽霊砂丘です。火星では、ノクティス・ラビリントゥスやヘラス平原で多くの幽霊砂丘が見つかっています。

2020年4月27日の「HiRISE Picture of the Day(HiPOD)」の画像です。画像は2018年6月14日に取得されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

https://www.uahirise.org/hipod/ESP_055692_1720