火星の偵察衛星が見た塵まみれのインサイト着陸機と周辺の変化 | アストロピクス

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火星の偵察衛星が見た塵まみれのインサイト着陸機と周辺の変化

NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・リコネッサンス・オービターは、探査車(ローバー)や着陸機(ランダー)の位置や健康状態の確認のために、高解像度カメラHiRISEを用いて着陸した探査機周辺の画像をしばしば撮影します。アメリカの探査機だけでなく、中国の探査車の撮影を行ったこともあります。

火星では空中に塵が多く舞っています。2022年3月9日に火星のエリシウム平原を撮影したこの画像には、塵に覆われたNASAの着陸機インサイトが映っています。インサイトは地震計などを使い主に火星の内部構造を調べる探査機です。インサイトの表面には2018年の着陸以降、塵が積もってきており、とくに2022年1月に発生した砂嵐によって多くの塵が機体に積もりました。

こちらの画像を見ると、着陸直後(左)と比べてインサイトが塵まみれになっているのがわかります。着陸時の逆噴射によって生じた火星表面の変化も元の状態に戻りつつあるようにみえます。

インサイトの着陸地点などでの長期的な変化を調べることは、火星の表面が時間とともにどのように変化するのかを理解するのに役立つとのことです。

マーズ・リコネッサンス・オービターに搭載された高解像度カメラHiRISEのウェブページ(アリゾナ大学)では、HiRISEで撮影した画像を毎日1枚ずつ、HiPOD(HiRISE Picture of the Day、HiRISEの今日の1枚)として紹介しています。この画像は2022年4月15日のHiPODとして紹介されました。

Image Credit: NASA/JPL/UArizona

(参照)HiRISE