着陸時の残骸を火星ヘリコプターが間近から空撮!

NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星ヘリコプター「インジェニュイティ」が、探査車パーサヴィアランスの着陸時に使われたパラシュートなどの残骸を間近から撮影することに成功しました。これらの画像にはバックシェルとパラシュートが映っており、それらをつなぐワイヤーも確認できます。時速約126kmで火星表面に衝突したバックシェルの破片が散らばっているのも映っています。着陸時の残骸が、このように間近から「空撮」されたのは火星探査の歴史上初めてのことです。

NASAによれば今回の撮影は、将来的に予定されている火星サンプルリターン計画の技術者の依頼により行われたとのことです。バックシェルとパラシュートについては、パーサヴィアランスが遠方から撮影したことがあります。ただ今回のインジェニュイティのように、間近から撮影することにより、バックシェルなどの状態の詳細を知ることができます。またパーサヴィアランスは着陸時、パラシュートの展開から着陸までを動画で記録しましたが、インジェニュイティによる今回の画像は、着陸時の動画とは異なる視点を提供することになります。インジェニュイティの画像は、将来の火星着陸技術の安全性を高めるのに役立つ可能性があります。

画像が撮影されたのは2022年4月19日、インジェニュイティの26回目の飛行時です。26回目の飛行時間は159秒、飛行距離は360mでした。高度8mで南東へ192m移動して画像を撮影。その後は南西へ向かったあと北西へ向かい画像の撮影を行いました。そして西へ75m移動して着陸しました。

Location Map for Perseverance Rover - NASA Marsより
Location Map for Perseverance Rover - NASA Marsより

上はパーサヴィアランスの走行経路(白線)とインジェニュイティの飛行経路を示したものです。上の黄線の枠を拡大したものが下の画像で、黄の円のあたりにバックシェルとパラシュートがあります(上の画像には映っていません)。黄色の太線はインジェニュイティの26回目の飛行の経路です。

パーサヴィアランス着陸時の構造
パーサヴィアランス着陸時の構造

パーサヴィアランスは2021年2月18日、火星のジェゼロ・クレーターに着陸しました。パーサヴィアランスはパラシュートを使って減速したのち熱シールドを分離、その後バックシェルを切り離して降下ステージが逆噴射してさらに減速、最終的にローバーは降下ステージからケーブルで吊り下げられて着陸しました。

こちらは着陸途中のパーサヴィアランスの想像図。探査車にかぶさっているのがバックシェルで、その右上にパラシュートが描かれています。パーサヴィアランスの「腹」のところに、インジェニュイティが収められたケースが見えています。

Image Credit: NASA/JPL-Caltech

(参照)Mars Exploration Program