マーズ・エクスプレスがとらえた火星のカオス地形 | アストロピクス

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マーズ・エクスプレスがとらえた火星のカオス地形

マリネリス峡谷の東側付近にあるカオス地形を、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)の火星探査機マーズ・エクスプレスがとらえた画像です。2020年8月3日に得られたデータから作られました。

カオス地形はその名の通り、不規則で乱雑なように見える地形です。地下の氷や堆積物が溶けて移動することで形成されると考えられています。地下の層が移動することで表面の崩落につながります。レゴリス(岩石惑星の表面近くの層)を通して水が急速に流れ出し、崩落は急速に壊滅的に発生する可能性があります。氷の溶融は、火山の溶岩流や地下浅部の火成活動、隕石衝突、気候変動などが引き金となって発生します。

カオス地形の低いところは、左側のクレーターがある地域よりも約4kmも低くなっています。富士山の高さ(3776m)以上にもなる高低差があるのです。クレーター地域とカオス地形の間には、幅広い水路のような地形も見られます。

Image Credit: ESA/DLR/FU Berlin, CC BY-SA 3.0 IGO

(参照)ESA