ベピコロンボの水星フライバイ時の映像が公開された | アストロピクス

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ベピコロンボの水星フライバイ時の映像が公開された

日欧共同の水星探査計画ベピコロンボが、2021年10月2日(日本時間、以下同じ)に1回目の水星フライバイ(スイングバイ)を行った際の画像をまとめた映像が、ESA(ヨーロッパ宇宙機関)から公開されました。

ベピコロンボは、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の「みお(MMO)」とESAの水星表面探査機(MPO)、電気推進モジュール(MTM)などが結合した形で水星へ向かっています。フライバイ時には探査機のメインのカメラは使えないため、MTMに設置されているモニタリングカメラ(MCAM)で撮影された53枚の画像から、この映像は作られました。

映像で使われた画像は、3台あるモニタリングカメラのうち2台(MCAM-2とMCAM-3)で撮影されたもので構成されています。中利得アンテナと磁気センサー(棒状のもの)が映っているのがMCAM-2、高利得アンテナが映っているのがMCAM-3で撮影された画像です。

ベピコロンボは2日午前8時34分41秒に、水星表面から199kmまで接近しました。映像のオープニングは、その約5分後(8時39分44秒)に、水星表面から約1000kmの距離で撮影された画像です。最接近時には撮影条件が良くなかったため、約1000kmの距離から撮影されたこの画像が、水星の最も近くから撮影されたものになります。

最接近から30分間は、2台のカメラで交互に撮影が行われました。おおまかにみてMCAM-2は水星の北半球を、MCAM-3は南半球を撮影しています。映像の中盤では、水星表面から約2420〜6140kmまでの間に撮影された画像が使われています。

終盤の映像はMCAM-3で撮影されたもので、途中で水星の移動方向が変わっているように見えます。これはベピコロンボが姿勢を変えたことにより、見かけ上そのように見えているものです。最後の画像は、12時3分49秒に約9万3000kmの距離から撮影されたものです。

2018年10月に打ち上げられたベピコロンボは、2025年12月に水星へ到着するまでに、合計9回のフライバイを行います。これまで地球で1回、金星で2回(2020年10月15日2021年8月10日)のフライバイを終え、今回が水星での最初のフライバイでした。ベピコロンボは今回を含め水星で6回のフライバイを行います。

Credit: ESA/BepiColombo/MTM, CC BY-SA 3.0 IGO; Music composed and performed by Anil Sebastian and Ingmar Kamalagharan.

(参照)ESA