この画像はハッブル宇宙望遠鏡が撮影したもので、「Arp 91」と呼ばれる銀河のペアが映っています。Arp 91は、へび座の方向、1億光年以上の距離にあり、下のNGC 5953と右上のNGC 5954という二つの銀河が互いに重力的に影響を及ぼし合っています。どちらも渦巻銀河ですが、地球に対する向きが異なるため、形が大きく異なって見えています。
NGC 5954はNGC 5953に引っ張られ、渦状腕の1本が引き伸ばされているように見えます。宇宙を見渡してみると、このような銀河どうしの重力相互作用は珍しいことではありません。渦巻銀河どうしが衝突すると、いずれ一つの楕円銀河になると見られています。ただ銀河どうしの相互作用は数億年という時間スケールで進行するため、私たち人間の一生の間にその変化を見ることは期待できません。
画像は2021年10月4日にリリースされたハッブル宇宙望遠鏡の「今週の1枚(Picture of the Week)」です。
Credit:
ESA/Hubble & NASA, J. Dalcanton
Acknowledgement: J. Schmidt
(参照)ESA/Hubble