木星の衛星ガニメデの暗い光条をもつ珍しいクレーター | アストロピクス

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木星の衛星ガニメデの暗い光条をもつ珍しいクレーター

この画像は、木星の衛星ガニメデの表面をとらえたものです。NASA(アメリカ航空宇宙局)の木星探査機ジュノーが2021年6月7日にガニメデに接近した際に撮影したもので、2022年2月14日にジュノーミッションのWebページで公開されました。2021年6月の最接近時、ジュノー探査機はガニメデ表面からわずか1046kmの距離まで近づきました。

ガニメデのクレーターのほとんどは、衝突痕から伸びる明るい光条(放射状に伸びるすじ)を伴っていますが、約1%は暗い光条を伴っています。この画像の中央付近に映っているのは、暗い光条をもつクレーターの1つです。「Kittu」という名のこのクレーターは直径約15kmで、クレーターを形成した隕石衝突の際に放出された暗い物質に取り囲まれています。暗いのは、衝突時の汚染によるものだと見られています。それらは周囲よりもやや温かく、氷は近くの低温で明るい大地に追いやられて凝結するため、時間が経過しても光条は暗いまま残ります。

ガニメデの半径は2631.2kmで、惑星である水星(半径2439.7km)よりも大きな天体です。木星の衛星として最大であるだけでなく、太陽系全体をみても衛星としては最大です。

このカラー画像は、市民科学者のThomas Thomopoulos氏によって、ジュノーに搭載されたカメラ「ジュノーカム」のデータを使って作成されました。

(参考記事)木星の衛星ガニメデの改良バージョン画像が公開されたジュノー探査機が赤外線で捉えた木星の衛星ガニメデの最新画像

Image data: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS. Image processing by Thomas Thomopoulos © CC BY

(参照)Mission Juno